語源:
デーツ(ホルマ)という用語はペルシャ語のルーツを持ち、ヒンドゥー語、ウルドゥー語、トルコ語、インドネシア語、マレーシア語などの他の言語に貸し出されています。
ナツメヤシ:
ナツメヤシは熱帯地方の固有種で、巨大な葉を持ち、ヤシの木に分類されます。その果実であるデーツはベリーに属し、肉厚で栄養価が高いです。デーツは古代から人々の食生活に欠かせないものでした。果実はヤシの木に房の形でぶら下がり、硬い種子、薄い皮、甘味を持ちます。ヤシの木の高さは10〜20メートル以上にもなります。熟す前のデーツはペルシャ語でハラクまたはコングと呼ばれますが、アラビア語ではハバブックと言います。ロタブも完全に熟す前のデーツを指す呼び名で、水分量が高く、完熟したデーツより糖度が低いのが特徴です。
栽培の歴史:
ナツメヤシは、イランのように熱帯・亜熱帯地域で栽培されています。 メソポタミア、サウジアラビア、アフリカ北部に由来すると考えられていますが、科学的研究によるとデーツはインド起源の植物の仲間です。 考古学者は、5000年前には既にヤシの木の農園があったと考えています。イランでは 古代アケメネス朝の前には既にヤシの木があったとされています。また、サーサーン朝の文献「バンダシャン」にヤシの木について書かれています。 中国の書物には、イランがヤシの木の国として記述されており、9世紀後半、イランから中国にヤシの木が持ち込まれました。
デーツの分類:
ドライ:水分が15%以下の熟したデーツ
セミドライ:水分が15%~18%の熟したデーツ
フレッシュ:水分が18%~35%の熟したデーツ
イランのデーツの産地:
近年イランは、デーツの年間生産量が約900,000トンの、世界有数のデーツ生産国です。
イラン全土には400種以上のデーツがありますが、そのうち商業価値があるのはごく数種類です。一般的に、デーツは水分量に応じてドライ、セミドライ、フレッシュの3つのグループに分類されます。イラン各地の気候は特別な種類のデーツを栽培するのに適しています。ケルマーン州はピアロム、マザファティ、ケルーテ、ファレコンという種類のデーツを生産しています。フーゼスターン州、ブーシェフル州ではシャハニ、サイヤー、カブカブ、ザヘディのような種類が栽培されています。イランの主な生産州とシェアは、ホルモズガーン(21.6%)、ケルマーン(21.1%)、フーゼスターン(17.6%)、ブシェール(13.4%)、ファールス(12.3%)、シースターン・バルーチェスターン(12.2%)です。
サイヤーデーツ
サイヤーデーツはイランの南西に位置するシャーデガンで栽培されます。シャーデガンはアーワズから90キロ、テヘランから971キロ離れた町です。イラク国境に近いことから、シャーデガンの人々は主にアラビア語を話し、詩に興味があることで有名です。 地元の人々の主な収入源は農産物であり、大半がデーツ栽培に携わっています。 サイヤーデーツは地元の栽培者が育てる最も一般的な種類のデーツです。シャーデガンには200万本ものヤシの木があり、年間5万トンのデーツを生産しています。シャーデガンにはカルン川とジャラヒ川という2つの大きな河川があり、デーツ栽培には主にジャラヒ川の水が使われています。川にいくつかのダムがあり、その水を灌漑に使っています。
ピアロムデーツ
ピアロムデーツはセミドライデーツの一種で、その色と形から「チョコレートデーツ」と呼ばれます。ピアロムは世界で最も高価でラグジュアリーなデーツの一つです。ピアロムの皮は薄くて剥がれにくいことから、完全に洗浄することが可能です。
ピアロムの起源は、ホルモズガン州の北部に位置するハジアバッドです。この村の乾燥した暑い天候はピアロムデーツを栽培するのに適しています。ハジアバッドには約4,000ヘクタールのデーツ農園があり、その半分(2,000ヘクタール)がピアロムの生産に使われています。この地域の総生産量は年間1万トン以上で、主にヨーロッパに輸出されます。
マザファティデーツ
マザファティ(別名ルタブ)はイランの暖かく乾燥した地域で生産される、最高のデーツの一つです。マザファティデーツはケルマン州バムが産地です。
イランで生産される様々な原材料は、その品質の良さと低価格で世界中で需要が高まっています。デーツも同様に人気があり、近年は高品質のイラン産デーツの輸出価値が高まっています。イランでは100種類以上のデーツが栽培されており、そのうちいくつかの品種はアジアやヨーロッパに輸出されています。
マザファティデーツは果実が完熟する前のルタブという状態で食べられます。収穫時期と栽培地により水分量が15%から18%あり、瑞々しい食感と強すぎない甘味が特徴です。色は黒っぽい紫、種子の大きさは4.5〜5.25センチメートルです。
デーツの成長と発育段階
デーツの成長と発育過程にいくつかの変化が現れます。これらの変化は、果実の色および化学組成の変化に基づいて、ハバブーク、キムリ、ハラル、ルタブ、タマールという5つの段階に分類されます。
a) ハバブーク
花粉の受精後すぐに始まり、4〜5週間続きます。この段階に2つの未受精の絨毛がなくなる、成長速度が遅いという2つの特徴があります。この段階ではデーツは未成熟であり、平均重量は1グラムで、エンドウ豆の大きさです。
b) キムリ
この段階で果実は小さくて硬く、青りんごのような緑色で、食べることはできません。大きさは徐々に一般的なデーツの大きさまで成長します。この段階が一番長く、品種によって9週間から14週間持続します。
最初の4〜5週間で、週平均成長率は90%であり、第2期には約22%の成長しか見られません。第1期は重量と体積の急速な増加、還元糖の急速な蓄積、ブドウ糖および全固形物の低い蓄積率、非常に高い活性酸性度と含水率を特徴とします。
c) ハラル
果実は生理学的に成熟していき、色は緑色から黄緑、黄色、ピンク色、赤色または緋色に変化していきます。この段階は品種によって3週間から5週間持続し、重量の平均相対的な週当たりの増加率は低いです(3〜4%)。この段階の終わりには、最大重量と大きさに達しますが、糖分濃度、総糖分および活性酸度は、含水量の低下(約50-85%の含水量)に伴い急速に増加します。デーツの果実はこの段階でショ糖としてスクロース型および還元糖型の両方の糖の大部分を蓄積します。また、種子の色が白から茶色に変化します。
ハラルの時期に収穫したデーツは、発酵の原因となる砂糖と水の含有量が高いため、早めに食べる必要があります。この段階で収穫され販売される品種には、害虫被害が非常に少ない、取り扱いや梱包の容易さ、高収量が見込めるため高所得に繋がるという利点があります。
d) ルタブ
この段階で果実の先端が熟成を開始し、色が茶色または黒色に変化し、柔らかくなっていきます。渋みを失い始め、前の段階から比べるとより暗くて魅力的でない色に変化していきます。この段階は2〜4週間持続しますが、主に水分の損失のため新鮮な果肉量が減少します。新鮮な果実の重量の週平均減少率は、ルタブ期の最終週で10%です。
還元糖の増加、スクロースの転換率の急速な上昇、総糖類および全固形物の増加もこの段階を特徴付けます。デーツが軟化すると、皮下に残ったタンニンは不溶性の形態で沈殿し、果実はキムリの段階から残っていた渋みを失くします。
ほとんどの品種は、ルタブの段階にあるデーツは非常に甘いです。しかし、冷蔵保存しなければ急速に酸っぱくなり、商業価値がなくなります。デザートとしてデーツを食べる場合、ルタブの段階を過ぎたものが好まれます。
e) タマール
デーツが完全に熟し、色が茶色またはほぼ黒色に完全に変わる段階です。果肉の質感は柔らかく、ほとんどの品種の皮は果肉に付着し、果肉が収縮するとしわになります。皮の色と果肉の色は時間とともに暗くなります。
この段階でデーツの水分量は25%未満から10%以下になり、長期間保存しても発酵する心配がなくなります。果実の重量の平均減少率は35%で、収穫せずにヤシの木に残れば徐々に重量が減少していきます。ちょうどこれはブドウの実がレーズンになるのと同じ現象です。タマール期ではヤシの木に生ったデーツが全て同時に熟すわけではないので、3,4回に分けて収穫します。
タマールを除く段階では、果実の含水率が高く腐敗しやすいです。
デーツは品種、気候条件、市場需要に応じて、ハラル・ルタブ・タマールの段階で収穫、販売されます。
気温、雨、湿度および風は、デーツ栽培地の適性を決定する重要な気候要因です。
気温
世界にあるデーツ栽培地で観測された最高気温は、低い湿度、膨大な日射量、長期に渡る夏日の結果です。
ナツメヤシは、長く暑い夏、雨が降らない(または微量)、熟成期間中の相対湿度レベルが非常に低い、乾燥および半乾燥地域で栽培されます。 例外的な高温(±56℃)にも、数日間の灌水で凌ぐことができ、冬期は0℃以下の気温にも耐えます。ナツメヤシが育つのに必要な最低気温は7℃で、それ以上に上がると活発に成長し、約32℃が最適気温です。温度が38℃から40℃に達するまで安定した速度で成長を続け、その後減少していきます。
気温が7℃未満では成長が停止し、この段階を休止期といいます。霜が降りる時期は、受粉後すぐに花卉を紙袋で保護しなければなりません。マイナス9〜マイナス15°Cの範囲では、外側の葉が損傷して乾燥します。これらの低温が12時間〜5日間続くと、全ての葉に霜害が発生し、ヤシの木は焼けたように見えます。多くの葉が損傷すればするほど、花が付かなくなり、不作の可能性が高くなります。
霜が発生した後、春になるとヤシの木は正常な成長を再開します。霜が降りる時期に適度に灌水していれば、損失のダメージが低くなります。イランのザヒディ種は霜による被害が最も少なく、同じくイランのハラスが最も霜に敏感な品種です。
雨の効果
ナツメヤシの栽培は冬に雨が降る地域で発達しています。雨は土壌の正面にある塩をなくし、下層からの塩の上昇を避けるため、デーツ農園の土壌にとって有益です。 収穫は8月中旬から10月下旬に始まります。 開花期と収穫期の雨は、果実に多少のダメージを与える可能性があります。
相対湿度
ヤシの木は乾燥した地域に生育し、大気中の相対湿度に大きな影響を受けます。湿度が高い場合、葉ダニの被害は稀ですが、葉が黒い斑点に覆われる病気になることがあります。逆に湿度が低いと菌の感染は見られませんが、害虫およびダニの攻撃が心配されます。
更に湿度はデーツの品質にも影響を与えます。前述したデーツの発育段階3つ目、ハラル期の前に湿度が高くなると、デーツの表面に割れ目が生じ、色は黒っぽくなります。柔らかいデーツは地面に落ちてしまい、商業価値が無くなってしまいます。第4段階のルタブ期になれば、湿度が多少高くても表面が割れることは殆どありませんが、果実が湿気を吸い取って粘着質になり、取り扱いが難しくなります。最終段階タマール期に達すると、湿度によるダメージはほぼ認められなくなります。
風
他の植物と比較して、ヤシの木は風が強くても大きなダメージを受けません。 ヤシの木は夏の強くて暑く、埃っぽい風に耐えることができ、周辺にある植物を強風から守る役目も果たしています。
しかし、発達期初期のハバブーク期には、風で揺れる硬い葉が果実に当たることで、デーツに黒い斑点を残すことがあります。また、デーツが柔らかくなるルタブ期とタマール期には、風に乗って砂や埃が果実に付着することがあります。植樹されて間もないヤシの木は、強風によって簡単に引き抜かれる恐れがあります。
風はまた、受粉効率に影響を与える可能性があります。 軽い風は受粉に有益ですが、強い風が吹くと農園の端にあるヤシの木の花粉を吹き飛ばしてしまいます。
デーツの質と樹齢の関係
ヤシの木は80年から100年と長い寿命を持ち、苗木を植えてから5年後以降に実をつけ始めます。樹齢5年から20年の木から取れるデーツが質が高いと言われます。それ以降は樹齢が長くなるにつれて品質も低下していきます。
植え付け作業
ヤシの木の植え付けにはいくつかの異なる作業が必要です。
植え付けの間隔
ヤシの木の植える際、下記3点を考慮して空ける間隔を決定します。
・ヤシの木が高くなった時も十分な日光が当たるかどうか
・農園内で十分な作業スペースが確保できるかどうか
・根が成長するのに十分なスペースがあるかどうか
以前はヤシの木同士の間隔を10メートル×10メートルとし、1ヘクタール毎に100本植えるのが一般的でした。しかし時間と共に変化していき、現在は間隔を10メートル×10メートル、または10メートル×8メートルにして、1ヘクタール当たり121本から125本植えるのが主流になっています。
栽植密度は生態学的要因(主に湿度)と品種によって若干異なります。例えば、非常に熱く乾燥した強風が吹く地域では、上述した間隔よりも距離を縮める傾向があります。湿度が高い地方では、日当たりと風通しを良くして湿度を下げるため、10メートル×10メートルの間隔が好まれます。また、熟成期に雨の被害が予想される地域でも広い間隔が必要です。
植え付けの時期
ヤシの木の植え付けで非常に重要なのは、若い苗木の生存率が一番高い時期を狙って作業をすることです。
北半球でデーツを栽培する場合、春と秋が植え付けに適しています。春は冬の寒さを避け、温かい天候がヤシの気の成長を促してくれます。秋は夏の暑さが来る前に、じっくりと若い苗木を育てる時間を与えてくれます。しかし、春に植えた場合は間もなく暑さ厳しい夏が、秋に植えた場合はすぐに寒い冬がやって来ることが欠点です。
南半球では、以下の理由により、秋(2月から 3月)が最適な時期です。
・冬は比較的霜の被害がない
・夏は気温が高いため避けた方がよい
・夏の砂嵐の危険
・8月から1月は強く乾燥した風が吹く
夏でも極度に乾燥して暑くないこと、冬に深刻な霜の被害がない地域では、8月から 9月または霜の危険がない時期に植えることが推奨されます。
植え込みに適した時間と深さ
植え付けは、デーツの苗木が土壌に適応するのに十分な時間を与えるために、早朝に開始すべきです。苗木を慎重に袋から取り出し植えてください。この時、植穴を深く掘ることは禁物です。植物の核の部分は決して水で覆われてはならないので、球根よりも一回り大きな直径が土壌の表面と同じ高さになるように植えてください。そうすることで、灌水により成長点が腐ったり、根が乾燥するのを避けることができます。
水鉢の準備
移植した後、苗木に十分な水を与え、水が流れ出てしまうのを防ぐために水鉢を準備します。大きさは直径直径約3 m、深さ約20〜30 cmが理想的です。水鉢は苗木の根元に水が流れるように、苗木に向かって下向きに傾斜するように作ってください。
マルチング
マルチングはナツメヤシの苗木周辺を、ワラなどの有機材料で覆うことです。水鉢を覆うマルチングには次のようなメリットがあります。
・蒸発による土壌からの水分損失を制限する
・土が固くなるのを防止する
・土壌へのより良い水の浸透を促す
・雑草の生育を制限する
・土壌の腐植成分を改善する
ナツメヤシの繁殖
ナツメヤシを繁殖させる方法は、種子、株分け、最近開発された組織培養技術の3つがあります。
種子による繁殖
下記理由により、種子による繁殖方法は推奨されていません。
・ナツメヤシは雌雄異株で、雌の木しか実を付けません。木の性別は数年育ててから判明します。
・種から育てた雌の木のデーツは、株分けで育った木のデーツと比べ品質が劣り、熟すのに時間がかかります。種子から繁殖させた木が納得のいく品質のデーツを生産する確率は10%以下です。
・ナツメヤシはそれぞれの木に異なる特性が出るため、同じヤシの木の種でも、その木の理想的な特性が失われる可能性があります。
・一定の品質、収穫高を見込むことが困難なため、商業利益を得ることは難しいです。
・上記を考慮すると、種子から繁殖させる方法は時間、コスト、スペースの無駄になる可能性が高い。
株分け
株分けした苗は、親木と同じ特性を受け継ぐため、そこから生み出されるデーツも親木と同じ品質を持ちます。これにより、生産の均一性が保障されます。株分けした木は種子から育てた木よりも2,3年早く実を付けます。
ナツメヤシの脇芽は、樹齢が10年から15年目の間に大よそ20から30出ます。しかし、株分けするのに適したものは1年でわずか3つか4つで、農園に植える1、2年前は温室内で育てる必要があります。ザヒディ、ベリム、ハヤニ種は多くの脇芽を付けることで知られており、逆にメクトウムとバルヒー種は脇芽の数が比較的少ないです。
株分けする脇芽は、少なくとも樹齢3年から5年目までは病気や害虫の被害に遭っていないことが条件です。株分けに扱い易い理想的な大きさは、20〜35cm、10kg以上25kg以下です。脇芽の根がしっかり張っていて、そこから更に次の芽が出ているかどうかが、移植に適しているかどうかのポイントです。必要に応じて5kg以下の小さな脇芽を使用することもできますが、生存の可能性は大きなものと比べると低くなります。小さな脇芽は少なくとも2年間、苗床や温室内で育てる必要があります。 菌の付着は深刻な問題で、月に2度殺菌剤で処理しなければなりません。
株分けに最も適した時期は、気温が高くなる3月から4月です。2月から 3月、9月から 10月は畑の植え付け適しています。ヤシの木の脇芽には、親木の下位に付いていて古いものと、上にある若いものとの2種類があります。 低い位置にある芽は、高い位置にあるものより生理学的により活性であると考えられており、成長が早いです(葉の数は樹齢とともに増加します)。 実際、高い場所にある芽は炭水化物の量が少なく、その結果、根の発達が悪く、生存率が低くなります。
親木で3年から5年間育った脇芽は独自の根を形成し、次世代の脇芽が育ち始めます。 この段階に達すると株分けが可能になります。株分けの作業は技術は、通常熟練した労働者2名によって行われます。株分けをする数日前から親木を灌水します。その後親木から脇芽を切断して分離し、根に付いた土は根から5センチから8センチ程度の厚みを残して取り除きます。切り離した根の大部分が死んでしまい、新たに出た根は損傷しやすいため、根はできるだけ短く切り取らないことが重要です。
株分け作業をやり易くするため、ヤシの木の下部分の葉を切断し、残りの枝を一束に結びます。 ゆるい繊維と古い葉の基部が切り取られ、脇芽と親木の継ぎ目を見つけたら、幹に近い枝の根元を切断します。切り離す枝の損傷を防ぎ、切断面を滑らかにするため、切り離す作業は常に一方方向から行います。
切り離した脇芽をそのまま農園に植え付けるのは避けてください。植え付け前の1年から2年は、温室で保育することで木の生存率がアップします。植え付けの1~2ヶ月前に植穴を準備することで、株分けした苗の発育が早くなります。 1立方メートルの穴を堀り、そこに土壌と肥料を混ぜたものを入れます。肥料の分解を促進するために、また混合土を穴に馴染ませるため数回灌水します。葉の根元が土壌の表面より高い位置に来るように植えます。直径1.5〜1.8m、深さ20〜30cmの植物の水鉢を準備する必要があります。
新しく植え付けた枝の周りの土壌を常に湿らせるため、適量の水を頻繁にやってください。灌水の頻度は土壌の種類によって異なります。砂質の土壌は、1年目の夏は毎日水をやってください。重い土壌には1週間に1回の灌水が必要です。その他の土壌では2、3日毎です。若い分枝および組織培養由来の植物は、過酷な気候条件とウサギなどの動物から保護する必要があります。シェードネットやテントの使用をお勧めします。
株分けの繁殖方法は、大量に行うには実用的ではありません。その理由は次の通りです。
・株分けが可能なのは、ヤシの木の寿命のある一定期間(約10年から15年)に限られる。
・この期間に株分けできる芽の数は限られている。
・品種によって株分けできる数が変動する。
・脇芽が出ない木は、他の繁殖方法を使わなければ絶滅してしまう。
・ヤシの木の病気、害虫被害を広げてしまうことがある。
・正しく世話をしなければ失敗する可能性が高い。
・繁殖作業が難しく手間がかかるため、人件費が高くなる。
組織培養増殖
ナツメヤシの組織培養には多くの利点があります。
・害虫の被害を受けていない健康な雌の木、容易かつ迅速に伝播できる花粉を持つ雄の木を、ピンポイントに繁殖できる。
・大量に繁殖できる。
・季節に関係なく、実験室で年間を通して繁殖できる。
・遺伝的に均一な木が生産できる。
・大量生産が必要な場合でも無駄が無く、経済的損失が少ない。
胚培養は、種子から無菌的に胚を切り出し、それを滅菌栄養培地に植えることを含む。
灌水
苗木を移した直後に灌水を行うことが重要で、初めの数ヶ月は苗木周辺の土壌を常に湿った状態にしなければなりません。1年目は定期的な灌水が不可欠ですが、樹齢を重ねる毎に木は強くなり、必要な水量が減っていきます。
通常、ピアロムの苗木が十分に成熟するまでに約10年かかりますが、これは各地域の気候と土壌によって異なります。例えばハジ・アバッド北部(デへスタン村)では、他の地域よりも気候が涼しいため成熟に10年以上かかります。ハジ・アバッドでは冬は灌水のため川の水を使用しますが、夏は川が殆ど干上がってしまいます。そのため、夏は地中から採水した水をいくつかの配管システムで畑に運んでいます。通常、夏の間に3~4回灌水を行います。ハジ・アバッドのほとんどの栽培者は配管システムとドリップ灌漑を使用していますが、一部の栽培者は湛水灌漑のような伝統的なシステムを使用しています。
不必要に灌水することは、貴重な資源の無駄になります。木が水を必要とする成長期に灌水しなかった場合、木は枯れてしまうか、殆ど実を付けなくなります。このような状態になった後に水をやっても木は回復しません。その逆に水を大量にやってしまうのも害になります。
異なる灌漑技術
湛水灌漑
この方法は非常に古い灌漑技術で、イランのヤシの木農園で一番良く用いられています。しかし、湛水灌漑には次のような長所と短所があります。
長所
(1) ランニングコストが安い
(2) 簡単に実行できる
(3) 傾斜が少ない土地では初期コストが安い
短所
(1) 効率は良くない
(2) 人間の労働力に頼る割合が高い
(3) ヤシの木がないエリアも灌水するため水の無駄になる
(4) 砂質の土壌には向かない
点滴灌水
長所
(1) 水を有効に使える
(2) ランニングコストが安い
(3) 容易に灌水のスケジュールを組んで実行できる
(4) あらゆる地形に適用できる
(5) 必要な量を調整できる
(6) 風に影響されることがない
(7) 自動的に灌水ができる
(8) 人間の労働力に頼る割合が低い
短所
(1) 設置コストが高い
(2) 水質の高い水が必要
(3) 必要な水量を見極めるのが難しく、灌水のタイミングを逃す可能性がある
肥料と農薬
デーツを収穫した後の秋に、自家製または地元の牧場から購入する動物由来の天然肥料を撒きます。ヤシの木1本につき約10から15キロの肥料を撒いて、根の周りに押さえつけます。 良い収穫のためには、2年ごとに肥料を撒く必要があります。化学肥料はあまり一般的ではありませんが、小麦、豆などのような他の作物も栽培している農家は、冬または春の初めにリン酸塩や尿素のような化学肥料を使用します。
肥料の適用時期
肥料はデーツの成長過程に合わせて与えなければ生りません。デーツの発育は成長期と繁殖期という2つの成長段階に分かれています。繁殖期は更に、花の形成段階(北半球の2月〜4月と南半球の6月〜8月)と果実の発達段階(7月〜10月の北半球と11月〜2月の南半球)の2つに分かれます。これらの段階に従って肥料の適用を計画することにより、適切に発達した花の量の増加し、収穫量が増えます。この点を考慮すると、北半球では2月と7月に、南半球では6月と11月に肥料を与えることがお勧めです。
受粉
受粉の最も一般的な技術は、切断した雄花を3本ほど雌花の茎の間に置く方法です。雄花を適切な場所に固定させるため、デーツの小葉を割いて紐状にしたものを使用することが推奨されます。
乾燥花粉
この受粉技術はより経済的であり、花粉の適切な使用ならびに受粉のタイミングをコントロールできます。乾燥花粉を適用するにはいくつかの方法があります:
a)コットン:乾燥した花粉を使用する最も一般的な方法は、ちぎったコットンの上に花粉を撒き、それを雌の花序の間に1つまたは2つの部分を置くことです。
b)スプレー:乾燥した花粉を塗布するために、手動の小さなスプレーも使用されます。コットンと併せて使用されることもあります。
c)機械:特別な装置を使用して地上から受粉します。
受粉のタイミング
雌の花序が開いてから2日から4日後が受粉に最適なタイミングです。北半球では3月と4月、南半球では7月と8月が受粉の時期です。品種によって花序が開くタイミングは異なります。
雄の木の開花時期
雌の花序が開いている間に雄の花粉を得るために、雄と雌の開花期を合わせる必要があります。雄木が雌木よりも2日から4日早く開くのが理想的です。そのため、雄木は日当たりが良い場所に植える必要があります。秋から冬にかけて灌漑が十分でないと開花が遅くなり、その結果収穫量が低下するため注意が必要です。
枝のカバー
ヤシの木の枝にカバーをつけることにより、高い湿度、雨、鳥や昆虫の攻撃からデーツを守ることができます。
高湿度と雨からの保護
いくつかのデーツの栽培地域では、雨期と熟成期が一致するため果実に大きな損害が出ることがあります。ハラル期に差し掛かる前に、デーツの表面にひび割れや格子模様が生じることがあります。このダメージが大きい場合は後に果実の先端が黒ずみ縮んでしまいます。ハラル期(果実の色が黄色から赤)に入ると水分がデーツの表面と果肉に深く長い亀裂を作ることもあります。更に、湿度が高い天気が続くと菌が付着して果実が腐敗する危険性もあります。ルタブ期になると、表面上の破損は起こりませんが、湿気を吸収すると粘着質になり見た目が悪く、取り扱いが難しくなります。タマール期では、手入れを怠らない限り湿度と雨によるダメージはありません。雨から保護するタイミングは、ハラル期になってからです。それ以前に保護をしてしまうと通気性が悪くなり、格子模様が生じて先端が黒くなる現象を引き起こしてしまうのです。キムリ期には茶色のクラフト紙で熟成中のデーツの房を保護します。但し、カバーをつけるタイミングが早すぎると、カバーを外した時に若い実が日光で焼けてしまうことがあります。
鳥からの保護
ルタブ期とタマル期になると、鳥がデーツを食べてしまったり蹴って地面に落としてしまうなどして、損失被害が出ることがあります。被害が深刻な場合、デーツの房を保護しなければなりません。紙袋を被せる場合は下部を通気性の良い布や網でカバーします。デーツの成長過程後期と、雨や高湿度の時期には喚起が非常に重要です。
昆虫からの保護
デーツの房に被せた袋は鳥から守ることができますが、昆虫を防ぐには不十分です。昆虫はルタブ期の50%以上の果実を傷つけることがあります。害虫被害を受けたことを知らずに収穫し保存したデーツは、最終的には病気に感染してしまい市場に出すことができなくなります。
スクリーンバッグの使用は、昆虫を寄せ付けないために中東で用いられる実用的な方法です。これによってNitidulidaeよりも大きな蛾および他の昆虫は除外されます。バッグは保護する枝のサイズによって、18×20メッシュのワイヤーまたは1.0x 1.5 m2のシェードネットです。房の茎の近くに結びつけて、雨水が入らないように、また実が風に吹き飛ばされないようにします。ネットを設置するのはキムリ期の中期から後期がベストです。
剪定
混乱を避けるために、一般的な意味での枝刈りとデーツの枝刈りを区別する必要があります。 フルーツの木や枝を剪定するのは生きている木を取り除く作業ですが、デーツの場合は死んだ葉や枯れた葉とその根を取り除く作業です。品種によってはヤシの葉は少なくとも7年間は生き続けることができ、初年度の活動は一番活発で、それ以降は光合成能力が低下します。 葉は枯れても自ら落ちないので、切り取られなければなりません。
剪定は、より多くの実けるため、また果実の品質を向上させるために重要です。実際に、必要以上の葉が残っているヤシの木に付いた果実は、表面に亀裂や皺が現れ、先端が黒くなる可能性が高くなります。ヤシの木の下部に残った葉によって相対湿度が高くなり、それによって果実に異変が現れるのです。更に、下部に付いている葉は菌による病気や害虫の温床になってしまいます。そのため、デーツの房がある位置まで葉を取り除くことが推奨されます。剪定は主にデーツの収穫後に行われますが、収穫期から開花期の間であればいつ行っても構いません。作業を容易にするために、基部が硬く乾燥しないうちに剪定することをお勧めします。まだ緑色の葉は、光合成を十分に活用するために刈り取らないことが推奨されます。緑の葉の数と、デーツの実が生る数は比例していると考えられています。剪定作業中に、余分な脇芽は一緒に取り除き、親木の成長を促進させます。
しかし、冬の霜の恐れがある場合は、冬の寒さから若い葉を守るために剪定はお勧めしません。
もう一つの重要な剪定プロセスは、棘の除去です。果物の房の取り扱いと受粉作業を容易にするために、新鮮な葉の基部から棘を取り除くことが役立ちます。
Harvest
Harvest season is the most important and exciting season for farmers. all the Date varieties are harvested when all the dates in the bunch or even on the whole palm have less than 20 % water content (of the weight of the fruit). Dates containing more water must be dried (artificially or by the sun) to a level of 16 % to 19 %, to make it possible to preserve them without refrigeration. In this state the fruit has its customary appearance (according to each specific variety), with its characteristic wrinkles and color, ranging from dark brown to light yellow. farmers have to climb the palm trees and cut the branches of dates and by rope send them down. Then make separate dates fruits from branches.
In fact, this is the first step in sorting. In the next step, growers separate defective fruits from good ones. In this step, all dates which were damaged by animals like birds or insects will be separated and then the rest of product will be packed. Usually all these processes are done by growers in near of their gardens. After first sorting and packing by growers, we transfer product to Pariz Nuts factory where we start double sorting. In this stage, we use a machine for washing and polishing dates. By doing this, all external contamination will be removed. After polishing, dates will be transferred to a belt conveyor where again we do sorting and inspection manually. In this stage, dates will be sorted based on size and if there are still bad shaped or defective ones, they will be removed. We can claim our dates are inspected one by one, and this guarantees the quality of our products.